「生産清流化」は、製造企業における業務革新・組織革新のシナリオです。納期短縮を目標として事業環境の変化に対応できるスピードを獲得します。時間・業務・組織という見えにくい対象を見える化しながら進めることが特徴です。
■業務の名前を標準化する
業務の流れを改善する場合、業務と職場との関係や業務と業務の関係を見える化していきます。その前提として業務に名前をつける必要があります。さらに業務の呼び方を社内で標準化します。ひとつの業務はどこからどこまでか、そしてその名前は何かということを標準化しないと組織的な業務改善ができないからです。
■3階層で体系化する
業務に名前をつけるには、対象とする業務をどう捉えるかを決めることが必要です。大括りに捉えるか、細かく捉えるか、様々なやり方が考えられます。生産清流化では大中小の3つの階層で捉えることを推奨しています。
第1階層は「業務」です。これは職場(通常は課単位)と対応するものです。ひとつの職場内で複数の人が関るものです。
第2階層は「作業」です。これは人と対応するものです。ひとりの人が連続して行い、次の人に渡すまでの範囲です。複数の作業が集まって業務が構成されます。
第3階層は「操作」です。作業を構成する要素であり、人の要素動作や使う機械装置の動作を指します。
■一覧表にまとめる
業務・作業・操作は、その関係を一覧表にまとめておくとよいでしょう。「製品・業務・職場マップ」や「作業ルートマップ」を作成する場合、一覧表の名称を使います。また現場の作業区に表示する場合も、一覧表にまとめた業務や作業の名称を使うようにします。
業務と作業一覧表の例
業務 | 作業 | 操作 |
需要予測 | 季節変動算出 | 商品群の分類 過去データの異常値修正 季節性指数の計算 |
傾向変動算出 | 商品別の過去データから季節性除去 計算パラメータ設定 傾向値計算 |
月別予測値計算 | 季節性指数と傾向値から計算 日割り値の計算 |
確認と修正 | 代表製品のデータのグラフ化 イベント等の影響を加減 関係部署への配布 |
負荷計画・大日程計画 | 正味需要量算出 | 製品在庫量データの取得 正味需要量の計算 ロットまとめ |
月別負荷計算 | 製造工場への割り振り 月毎の負荷時間に換算 工場毎の時間集計 |
余力計画作成 | 標準稼働時間での過不足計算 主要設備の運転計画作成 人員配置計画作成 残業計画作成 |
大日程表の作成 | 工場別・月別の計画表作成 関係者との確認 正式版の発行 |
小日程計画 | 主要設備の着手計画の作成 | 主要設備への割り振り 納期から着手日算出 設備別着手日別の製品一覧表作成 |
着手順序の決定 | 着手日毎の負荷時間計算 着手順序の案作成 |
小日程表の作成 | 設備別・日別の日程表作成 関係者との確認 正式版の発行 |
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