2.顧客をピンポイントで決める
(8)消費者を顧客にした例
顧客を企業から一般消費者に変えてしまった例が、福井市の三和メッキ工業である。この会社はメッキの受託加工業である。顧客は金属加工や金属部品の製造企業であった。ところが三和メッキ工業は、webサイトを使ったネットショップを開設し、一般消費者を顧客にしてしまった。
一般消費者のなかでもメッキをしたい人がいる。その代表は古い自動車やオートバイをレストアしている人たちである。クラッシックカーやヒストリックカーと呼ばれる古い名機をきれいに修理するのがレストアである。腐食が進んでしまった金属部品は、新規に作り直すことが多い。だができるだけオリジナル部品を使っているほうが珍重される。そのため、錆びている部品は再メッキして使われる。
こうしたレストアをする人が主要な顧客となっている。もちろん企業の顧客も今までどおり取引しているが、今では一般消費者向けの売上が事業の柱のひとつになっている。