5.整流から盛隆へ展開する
(6)調達と外注の対策1
「生産清流化」は納期病の治療法である。行動を変えること、業務を変えることの両面から取り組むプログラムである。行動を変えるために「見える化」を進める。業務を変えるには「しくみ化」を進める。
しくみ化を実行する場合に、調達と外注面の対策が必要になることがある。清流化の対策では特に調達が重要である。資材調達は生産行為の出発点である。調達作業だけでなく生産作業のモノの流れに大きく影響する。必要な時に必要な部品や材料が揃わないと納期に間に合わない。それだけではなく、生産部門の工数が大幅に増加する。
材料の調達には様々な方法があるが、一種類の調達方法ですべての資材を適時に調達することはできない。資材によって調達リードタイム・品目数・金額・物量などが異なるからである。こうした資材の調達特性に応じていくつかの調達方法を使い分ける。
材料・部品を適切な方法で適時に調達するには、まずそれらの調達特性を知る必要がある。調達特性は、「調達特性マップ」の形に整理するとわかりやすい。
調達特性マップ上の材料・部品は大きく4つの領域に分類できる。例えば調達リードタイムが10日以内ならば見込みで調達しなくても間に合うとしよう。上図の例では左上の領域にある資材Aは調達リードタイムを短縮する必要はない。しかし購入額が大きいので、共通化によって品目数を減らし、単価の低減を検討する。
左下の領域にある資材Bと資材Cも調達リードタイムの短縮は必要ない。ただし品目数が少ないので消費は安定している可能性が高い。長期契約することで単価が下げられないかを探索する。
右上の領域にある資材Dは、調達リードタイムが長く種類が多い独自部品である。リードタイムの短縮が必須である。それには、生産計画情報を共有化して内示と確定発注を使い分けることが有効である。
右下の資材Eと資材Fは種類が少ないので見込みで調達し、在庫を持つ方法も考えられる。しかしながら資材Fは物量が大きいので在庫スペースの点から調達リードタイムを短縮することが望ましい。