2.個人的先延ばしの類型 (1)個人的先延ばしの類型と対策方向 先延ばしには「個人的先延ばし」と「組織的先延ばし」があります。まず個人的先延ばしを見てみましょう。個人的先延ばしには、いくつかの類型があると言われています。諸説ありますが、3種類に大別できます。「現実逃避型」「ご褒美不足型」「実力不足型」です。この呼び方は私が少し改変していますが、ピアーズ・スティールが主張しているものに基づいています。 「現実逃避型」は「楽しいことを先にやる」という習慣の持ち主です。仕事などやらなくてはいけないことがあっても、つい趣味や遊びを先にやってしまうタイプです。対策方向は「行動習慣を変える」ことです。目先にある楽しいことに動かされるのではなく、未来を考えて行動するという習慣を身に着けることが対策になります。 「ご褒美不足型」は「仕事が楽しくない」という感覚の持ち主です。先延ばしの大半は、趣味や遊びよりも仕事で発生します。現実逃避型と似ていますが、現実逃避型は趣味や遊びをいつでも優先するのに対して、ご褒美不足型はいやいや仕事をするのが特徴です。いやいややるので辛くなってやらなくなるのがこのタイプです。対策方向は「価値観を変える」ことです。仕事に価値があると思い込むことが対策になります。 「実力不足型」は仕事などが「うまくいく自信がない」と思っている人です。自信がないのであれこれ心配して先送りします。対策方向は「反復訓練する」ことです。仕事などが実際に「できるようになる」ことが対策になります。 それぞれ対策方向は単純ですが、言うはやすしで対策を実行するのは大変と思うかもしれません。具体的にどうしたらよいか、次章以降で明らかにします。
個人的先延ばしの類型と対策方向
|