4.ご褒美不足型と実力不足型の対策 (1)ご褒美不足型の対策 個人的先延ばしは3種類に大別できます。「現実逃避型」「ご褒美不足型」「実力不足型」です。「現実逃避型」に続いて「ご褒美不足型」の対策を明らかにしましょう。 「ご褒美不足型」は「仕事が楽しくない」という感覚の持ち主です。先延ばしの大半は、趣味や遊びよりも仕事で発生します。現実逃避型と似ていますが、現実逃避型は趣味や遊びをいつでも優先するのに対して、ご褒美不足型はいやいや仕事をするのが特徴です。いやいややるので辛くなってやらなくなるのがこのタイプです。対策方向は「価値観を変える」ことです。仕事に価値があると思い込むことが対策になります。 価値観は人間脳で形成されます。過去の経験などから「これには価値がある」と人間脳が思い込んでいるわけです。それを変えるには理屈で納得させることです。「ああこういう価値があったのか」と新たな気づきができればよいのです。
仕事の価値や意味が変わるとやる気が変わるという例では「3人のレンガ積み職人」の童話が有名です。次のようなあらすじです。 仕事の価値観を変えるには上司が価値情報を提供することが重要です。上司の話によって同じ仕事であっても「給料が上がりそう」「地位が上がりそう」「自慢できそう」「スキルが上がりそう」「やると面白そう」「怒られなくなりそう」といった新たな価値に気づけばよいのです。
ただし何に価値を感じるかは個人差があります。同じ仕事でも「家族を養うため」に価値を感じる人と「歴史に残るため」に価値を感じる人がいます。部下の価値観は上司と同じではありません。部下の価値観を注意深く配慮しながら説得するのが上司のウデです。
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