納期半減の生産清流化
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清流化ツールNo26 「2人作業はムダのもと」
 「生産清流化」は、製造企業における業務革新・組織革新のシナリオです。納期短縮を目標として事業環境の変化に対応できるスピードを獲得します。業務を変えるアプローチは「つなぐ化」です。納期遅れの症状を見極めてポイントとなる業務と前後の業務のつながりを1点集中で改善していきます。

■満員型の納期遅れは生産余力の拡大が必要
 納期遅れは3つのタイプに分類できます。そのうちの一つが「満員型」です。受注量が多く、納入量が追いつかないタイプです。時間とともに要望納期に対する遵守率が低下し、受注残が増加していきます。電車の車両が不足していて乗り切れない人がいる状態です。生産余力を拡大する必要があります。
 人手の作業が中心の職場で生産余力を拡大するには以下のような方向があります。

  (1)良品率を上げる
  (2)主体作業の比率(稼働率)を上げる
  (3)主体作業のスピードを上げる
  (4)就業時間を延長する
  (5)人数を増やす

 このうち、最も良いのは(1)良品率を上げることです。業務にかかるコストを低減しながら余力を拡大できます。
 次に有効なのは(2)主体作業の比率(稼働率)を上げる、(3)主体作業のスピードを上げることです。やり方によってはコストを上げずに余力を拡大できます。
 (4)就業時間を延長する、(5)人数を増やす、は最後の手段です。余力は拡大できますがコストも増えます。

■作業形態によるスピードの違い
 工場の作業は複数人が担当することが多いでしょう。しかし作業形態によって、スピードが大きく変わってきます。例えば2人が行う作業はそのやりかたによって以下のように効率が変わってきます。

作業分担による効率の変化
分担方法イメージ効率(目安)
2人が同じ作業をして2個の製品を並列で作る(セル生産)100
2人が工程別に担当して直列に作る(ライン生産)80
2人が1つの製品に取り付いて作業する60
1人が監督し、もう1人の作業を指導しながら作らせる40以下

■作業の独立性を保つ
 ひとつの作業に複数人数をかけても、生産余力は人数に比例しないことがよくあります。これは上述したような作業形態が原因です。一人ひとりの作業の独立性を保つことが重要です。有能な人に対しては邪魔をせずに、そのやり方を真似するようにします。

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