1.産業用製品の営業活動のポイント
(2)産業用製品の営業戦略
企業を顧客とする産業用製品の営業戦略は、一般消費者を顧客とする消費者用製品に比べて次のような特徴がある。大きな違いは産業用製品では「ニーズを持つ顧客候補がどこにいるかわかりにくい」ということである。顧客は少数の人である。少数なために、その人を具体的に特定するのが難しいのだ。一般消費者は不特定多数である。不特定といっても多数いるために、顧客候補の一人をサンプルとして特定することは比較的容易である。
しかし産業用製品では、顧客が購入する金額は高い。一回の購入額が億単位となることもある。これも消費者用製品との違いである。
そのために産業用製品の営業戦略は、漁業に例えると「高級魚を一本釣りするようなもの」となる。エサや仕掛けに工夫を加えながら、小さなポイントに根気良く竿を出すことが重要である。顧客候補を探りあて、その人と対話することが重要である。
一方、消費者向け製品は「大衆魚を網でとるようなもの」となる。顧客候補の居場所がある程度わかっている。問題はライバルとの競争である。大きな網を早く入れてライバルとの競争に勝つことが重要である。