2.評価を変えて全員で取り組む (3)評価指標を変えて納期の成績を知る 生産清流化は「全員参加」で取り組む。その手段として評価指標を変える。納期に問題のある会社では納期に関する指標が整備されていないことが多い。野球でヒットが打てないと嘆くならば、まず打率を把握するのが普通である。納期が問題ならば「納期遅れが何パーセント」と数値で把握できることが必要である。 納期も同じである。改善しようとしたら、まず「納期遵守率」「納入リードタイム」など顧客に直接関わる指標を設定することが第一歩である。指標に基づいて実態を知り、目標を設定する。それが全員参加の基盤となる。 ポイントは評価指標の定義を明確にすることである。納期に関する指標が整備されていなかった会社では、定義を明文化したものはないだろう。定義を明文化し、厳密にしておかないと人によってカウント方法が変わってしまう。野球でも人によって打率の計算方法が違っていたら困るだろう。 納期遵守率は、要望納期充足率と回答納期達成率の二つに分けて設定するとよい。要望納期充足率とは、顧客が要望した納期を、回答した納期が満たした比率である。回答納期達成率は、回答納期を実際の納入日が達成した比率である。 ここですでに問題がある。会社によっては「要望納期」「回答納期」「実際の納入日」が具体的にどこに記録されているのか特定できないことがあるのだ。製品や顧客によって異なる場合もある。まずここから決めないと充足率や達成率はカウントできない。 計算方法も決める必要がある。例えば回答日に対して前納した場合はどうするのか。達成なのか否なのか。分納した場合はどうするのか。分納して一部分だけ遅れた場合の達成率はどう計算するのか。こうしたルールも決めなければならない。 1件の注文書に複数アイテムの製品が記載されている場合がある。この場合、注文書全体が達成されたらOKとするのか、製品1アイテム単位に達成したかをカウントするのか。これも問題になる。 納入リードタイムを算出するにもルールが必要である。月曜日に受注したものを翌週月曜日に納入したら、リードタイムは何日だろうか。受注当日を0日とするか1日とするかで答えは変わる。稼働日か暦日かによっても変わる。これも会社のルールとして定義しておく必要がある。 特急品件数なども重要な指標となる場合がある。これも「特急品」とは何かを定義しておかないと答えはでない。
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